自分の変化

2016年

Aさんと出会った頃は、iPadを駆使して授業をしようと意気込んでいました。

 

iPadにi+Padタッチャーにひもスイッチをつないで操作をしました。腕を突っ張って緊張が強くなると、それ以上、操作することは無理でした。

 

そこで導入したのが視線入力でした。研修の知り合いからヒントをもらい、「ポランの広場」の情報を参考にスウェーデンから機器を個人輸入して、ノートパソコンを買って・・・。自分で機材をそろえて試行錯誤でのスタートでした。

 

校内や近場には視線入力について教えてくれる人はいませんでした。ネットで知り合いに聞いたりしながら、まずはPowerPoint自作教材から授業に取り入れていきました。Aさんとの二人三脚でした。

 

Aさんの授業と並行して、校内支援でいろいろな児童生徒とも視線入力の研究をすすめました。そのおかげでいろいろな姿勢やパターンで視線を合わせたり、教材を工夫したりしたりしました。そのたびに、いろいろな気付きがあり、私も成長させてもらっている感じでした。

2020年

Cさんと3年間二人三脚して取り組んできました。ついに卒業となりました。

Aさんの時は、自分で音楽を選んで生活が楽しくなることを目指しました。Cさんは、VOCA的に使えて意思がより分かるように伝えられるようになることを目指しました。少し効果は出ました。日常的に使っていくところまでは行きませんでした。

またDさんとも二人三脚で2年間取り組みました。Dさんは視線での文字入力もできそうでした。棒スイッチで作業ができます。そちらの可能性を伸ばしていきました。異動することになり、あとのことは託すことになりました。

 

校内や校外でも視線入力の講師として活動できるようにもなりました。8年前までiPadさえ触ったことない自分がいろいろ情報を発信する立場になるとは考えられないことでした。

 

校内で普及させようと、いろいろ教えに行ったりしました。いまいちなことが多かったです。

なかなか思うように普及できず、カリカリしている頃もありました。

 

でも焦ってもだめなんですよね。相手のあることだから。

視線入力の技術を覚えて授業に生かそうと自分から来てくれる人は長続きします。

そんな感じで、4年目くらいから、ぼちぼちと校内にも徐々に視線入力の教材作りをする仲間も増えてきて心強かったです。

 

今こうして視線入力にかかわって活動できるのも、きっかけを作ってくれたAさんのおかげです。